前々号に掲載の「一般参賀行状記(ぎょうじょうき)」で、購入したお土産品が気になるという方がおられた。紙幅の都合上、ご紹介しきれなかった部分である。
いま私の手元にあるのは、菊花タイピンとロイヤルボールペンで、このふたつは個人使用。そのほか、旅行の時にいつもお世話になっている友人・個人タクシーの運ちゃん君に、バッヂ(ピンズ)を。お祝いごとがあった知人にマルーン色(茶系)のマグカップを。同僚のみなさんには箱菓子を2種類、きんつばと最中だった。どちらも随分と食べ応えがあった。最中は特に、外皮と餡が別々にパックされていて、食べる直前に餡を入れるという凝ったものだった。いずれも、皇居外苑ブランド・オリジナル商品で、高価という印象はなく、みんなニコニコ、庶民価格だった。
広々とした外苑の一隅に、臨時の売り場として三つの特設テントが並んでいた。真ん中のブースは日本酒・焼酎などが置かれたお酒コーナー。さすがにこれは荷物になるのでパスする。後ろの人波を気にしながら「これ四つ、これ一つ。そしてこれをふたつ。」まるでモグラたたきのように素早く、息つく暇なくホイホイと選んだ。当然、全ての商品に菊のご紋が印刷されている。ご丁寧にも、小分け用に、ご紋入りの小さな紙袋を何枚も入れてくれている。サービスが行き届いていて、気持ちがいい。
皇居は、東京の隠れた名所だという。これは肌で実感、見所が満載だ。外苑・楠公レストハウスの売店で通販もやっている。ご紹介した品々は、青森に居ながらにして、いつでも買えるのだ。一緒に行った博覧強記を持って自負する先輩いわく、「皇室の菊の紋章は、天皇陛下をはじめとする限られた皇族方と、その配偶者だけが花びら16枚」なのだそうで、私のお土産品の花びらは、何度かぞえても15枚だった。諾、としなければならない。 また、明治時代から始まった「恩賜のたばこ」は平成18年に廃止されたと聞いた。