その84 「ねぶた祭り」

ねぶた祭り

 

ねぶた祭り中継の準備はいつも多忙を極める。5月初旬から何かしらの動きがあり、7月の上旬には取材に突入する。関連資料を集め、「ねぶた」という言葉と文字に敏感に過敏に反応しながら、少しでも多くの情報に聞き耳を立てることになる。

 「ねぶたガイド隊」のみなさんから、台上げの日程を教えてもらい、当日は、いそいそとねぶたラッセランドにはせ参じ、ねぶた原画と解説文を精査し、想像ではなく、直接ねぶた師さんに人物名を確認することになる。特に、送り(後ろ側)については殆ど資料がないため、「誰ですか。」送りの人物名はずけずけと直截に尋ねる。その時、おもむろに振り向いた先生から、「あのサ。これは人でなくてサ、盾の模様だのサ」と、にらまれたことがあった。

お世話になりっぱなしのガイド隊の方には、お返しに、確認した「送り」を一覧表にして提供させていただく。

カーテンが日常的に閉じられているラッセランドの制作小屋も、台上げ日には必ず、関係者、スタッフ、ねぶた師さんが参加する。取材する立場には千載一遇の大チャンスだ。

先生(ねぶた師さん)には無駄な時間を取らせないように、取材にはひとり1分もかけていない。作業の邪魔をしてはならぬ。作業前と作業途中を避け、作業直後の一息ついたその瞬間を狙い、そばに近づいて、挨拶もそこそこに不意に本題に入るのだ。

長年の顔見知りのつもりで、無作法に歩みよってはならない。ねぶた師さんの方は決して悪くないのだが、タイミングが悪ければ無視をされて撃墜、もしくは撃沈することになる。

 この期間は体調管理が難しい。最近、最新式の体重計を買った。体重体組成計である。計量してみると、内臓脂肪が過多で、筋肉・骨量などのそれ以外の数値が少なかった。水分の貯蔵庫と言われる「筋肉量」が落ちたため、思いのほか体内水分量が少ない。ご同輩の皆さん。こまめに水分を摂ること。運動も大事だが、起き掛けのコップ一杯が薬である。