その126「4次元世界へ」

 私たちがいる世界は3次元(立体)世界である。立体は、縦×横×高さの3つの要素で体積が求められる。3つだから3次元。分かり易い。ここで豆腐を一丁ご想像いただく。立体(豆腐)を包丁で切れば切り口は面になる。面は縦×横の2つで、面積が求められる。面は2次元だ。次に、一枚の画用紙をご想像いただく。画用紙をハサミでちょきちょき切ると、断面は、縦あるいは横だけの一本の線になる。線は1次元。次に、一本の糸を思い浮かべてみる。糸をちょん切ると、1次元の切り口は点になる。点は0次元。つまり、それぞれの断面は1次元分だけランクが下がる。下がるという言い方は違うかも知れないが、そんな規則性が見られる。

 さて、ここから理解不能な不可思議な世界に入る。われわれの3次元の先にある「4次元」とは何か、である。この規則性から、4次元の切り口・断面は「立体」でなければならないのだ。断面が立体とはどういうことか。とても想像が追いつかない。

 不思議世界「4次元」は、この規則性から、冒頭にあげた我々の3次元「縦×横×高さ」×?となる。有難いことに、?の部分は懸命な科学者によって「ベクトル(方向)あるいは時間」ではないか、とされている。ベクトルも時間も目には見えない。目に見えないとなれば、厄介なことにさらに見当がつかなくなる。

 気になる言葉に出逢った。若き日の、作家・三島由紀夫と画家・横尾忠則のやり取りだ。横尾は三島の言葉が耳について離れない。「縦の糸が創造、横の糸が礼節。2本の糸が交わるところに霊性が宿る。(天に通ずる作品を生むためには)霊性こそが大切なんだ」。意味深だ。「(作品の中での無礼は許されるが)日常生活での礼節なくして、霊性は覚醒しない」と三島は語った。この言葉がそのまま4次元世界に通ずるかどうかは分からない。だが、興味深い。とても興味深い。そこから何が始まるのか。4次元世界に触れるひとつのヒントとして、今からちゃんと礼儀正しくしてみます。(と、ここで早速皆様に一礼。)